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「聴覚障害公務員ライフのコツ〜サポたんに聞いてみた〜」初心忘れるべからずの巻

 

お久しぶりです、ビッグスリーです。

今年度も終盤となり、三寒四温の開花情報など、まもなく本格的な春シーズンが到来するなかで、王子&ムー&いくら組が、昭和生まれのおっさんにはとうてい理解できない最新のITテクを駆使して、臨時の放送スタジオを東京の三田に設営しました。

 

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一般の視聴者も含めた約40人を前に、聴公会を大きく支えていただいている、サポたんから有志の5人を迎え、聴覚障害公務員ライフのコツを探ろう~サポたんに聞いてみた~」が2時間半にわたって、中継ライブされました!

 

いくらキャスターの見事な進行で、最初に登場したのはここ数年目覚ましい戦績を残しているJ1の川崎フロンターレがある神奈川県川崎市の久米さん。

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公務員会の登竜門となる「採用試験時の配慮」について、自らの体験を混ぜてお話いただきました。

聴覚障害公務員の8割が事務系で住民との接触があることが想定されるため、とりわけ面接が重視され、事前に「なぜここを希望したのか」「どんな業務をしたいのか」などを整理しておくことが取り上げられました。

 

その一方、目からうろこがこぼれるような着目点が・・

それは、昨春、自治体で策定された「障害者活躍推進計画」にあらかじめ目を通して、その充実度によって障害職員が働きやすい職場かどうかチェックしておくこと・・・!

厚生労働省から公表されている当該計画のモデルと比較してみたり、希望している自治体の手話言語条例や情報コミュニケーション条例などが制定されていた場合、同自治体の当該計画に「手話」もしくは「情報支援」が織り込まれているかも要チェック!

 

次の登場は東京都特別区の堀本さん。

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「上司とのコミュニケーションのコツ」・・堀本さん自らの経験をもとにした「人間関係づくりの虎の巻」から次の3点が披露された。

1)聞こえない自分の取り扱い説明書を用意する!

周りは聞こえない人と関わる機会が少ないため、対応がわからない。その距離感を縮めていくため、聞こえないこと、会話の仕方、会議への参加方法などを聴覚障害職員自身がまとめておく。

2)直属の上司を味方につける!

自分が属するグループの直近の上司は係長であり、初対面時が大事!強力な支援者になっていただき、音声情報を少しでも得る。

3)文字化ソフト(livetalk)を導入!

同ソフトの導入は職場全体の業務能率のアップにつながり、Win and Winになると説明したところ、導入化の運びとなった。音声情報がより入るようになり、人間関係づくりの後方支援ツールになっている。

 

聴覚障害職員にとって、職場で飛び交う音声情報をいかに見える化にするかが働きやすい環境の鍵になり、堀本さんの前向きな取り組みは勤務年数に関係なく、必要なことだと実感!

 

少しの休憩をはさんで、次の登場は東京都府中市2年目の廣瀬さん。「業務中のコツ」のテーマは「研修」

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2017年の「地方自治体における聴覚に障害のある職員の雇用等に関する実態調査報告書」から、必修研修での手話通訳などの情報保障は約半分というショッキングな数字に触れ、自らの研修への参加環境を整えていく予習の重要性を訴えました。講義のような座学は手話通訳者などの配置で解決するが、グループ討論や現地調査では、事前に研修担当者と相談しながら進めるといった自発的な取り組み(=予習)が大事になってくるのだと・・・。

 

例えば・・・グループ討論では、複数人の声が被らないように順番で発言するなどのルールを取り決めておく。現地のアンケート調査では、カードで聴覚障害職員であることを断ったうえで、筆談等で市民に回答してもらい、より詳しい調査が必要になった段階で手話通訳制度を活用するといった2段階方法を紹介してくれました。

 

これらの取り組みから研修仲間から役割を与えられるようになり、自身の業務能力の向上につながったそうだ。

このような貴重な経験情報を得られるのも、

聴公会ならではの強み!

 

引き続いて、同じ「業務中のコツ」としてお話しされたのが北海道えりも町の吉原さん。かつて都内で勤務していたが、田舎暮らしに憧れて、えりも町に就職したという珍しい経歴を持つサポたんメンバー。

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ここでも、特別区の堀本さんと同じく、職場で自分を輝かせる人間関係づくりのノウハウを惜しげなくお披露目・・

1)聞こえないことから「できない」&「わからない」ことをはっきり周りへ示す。

自分に対しても、他人に対しても素直に・・・ 聴覚障害を素直に受け入れる

2)周囲へのオープンマインド

職場では、仕事の話だけではなく、プライベートの話も自分から周りへ発信する。車を変えるんだよといった日常生活のささいなことでもよい・・・

3)話しかけてもらいやすい雰囲気を持つ

聴覚障害職員自身が暗い、障害をマイナスに取っていると、周囲はどのように接したらよいかわからないままで、話しかけにくい。むしろ聴覚障害を包み隠さないことで、周囲との距離がより縮まり、かわいがってもらえる関係づくりが大事!

北海道という壮大な自然で職住する彼女からのエールは、「初心忘れるべからず」を思い起こせた・・・(感動泣)

 

最後の締めくくりは、の名所で著名な「弘前城」のある弘前市の外崎さん。

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本業のかたわら、地元の聴覚障害協会事務局長を務めるといった強者の彼女は、「ろう活動」の外部活動との両立を「タブルワーク」として位置づけた体験から、次の3点を導けたそうだ。

1)職場では、音声情報を得る手段や与えられる業務が限定されるのが現実で社会貢献できない自分を発見。地元の聴覚障害協会の事務局活動を通じて、職場で感じる不足感を解消し、第3の場所を確保!

2)第3の場所での活動を通じて、協会運営に必要なノウハウを習得し、聴公会とのコラボ企画を通じて、広域的な活動も経験できた。

3)第3の場所の体験を職場に活かすことで、自身の業務能力の向上を実感し、社会貢献できる自分を再発見し、精神の安定につながる。

 

このサイクルをらせん状に繰り返しながら、職場でのチャレンジ心を育む・・・

外部活動を「副業」に置き換えると、今、国レベルでは、地域貢献する副業を促進しているので、彼女の取り組みや聴公会も先駆的な取り組みとして大いに自負できます!

 

5人のサポたんの素晴らしい体験を是非皆さんとともに共有して、今後の公務員ライフに役に立てたらいいですね。

 

次回は、中堅公務員に焦点を当ててお話いただく企画を予定しているので、こうご期待!

とそのまま打ち上げをしたかったのだけど、緊急事態宣言が解除されるまでのお楽しみということで、三田に集まったメンバーはそれぞれ帰途についたのでした・・・・